店番より

永遠の図書室。それは歴史に出会う場所。
令和の世になり、戦争体験者の方々が徐々に少なくなっていく昨今。元薬局から膨大な数の戦争・近代史関連の書籍や生の声が記された手記、資料などが発見されました。
徐々に消えて行ってしまう資料や声を語り継いでいきたい、歴史を守っていきたいーーーーそんな気持ちがこの図書室にはあります。

皆さまは「近代史」にどんな印象をお持ちでしょうか。
いわゆるメディアによく取り上げられる「歴史」は、有名な人物の活躍した群雄割拠の時代を指します。対して近代史は、こちらも取り上げられはしますが、歴史としてではなく「過去」として取り扱われている印象があります。言ってしまえば、近すぎるから生々しい。近すぎるから議論の場に出される、近すぎるから手を出しづらい………確かに「近すぎる」という一点が手を出しづらい印象を与えます。

しかし、私は思うのです。「近代」もまた歴史の一部なのだと。

怖がらずにまずは触れてみることから。触れたときに哀しみや怒りで心の痛みは発生するかもしれませんが、牙を向くことはありません。もちろん「興味を持っているけれど、どこから手を付けていいかわからない」という方も同様です。
それに「近い」からこそ他の時代を学ぶときとはまた違う、写真や手記、資料などの生のことばやものに触れることができるのです。

「学ぶこと」も、「知ること」も、怖いだけでは決してない。
近代という感情の溢れる時代をぜひ、この図書室で体感ください。
もしなにか気になることやわからないことがありましたら、ぜひ店番までお申し付けください。歴史とみなさまを繋ぐお手伝いを、僭越ながらさせていただきます。

永遠の図書室 店番 堀口理沙